阿炎が2敗を堅持、人としての成長を証明
「集中できている」、2場所続けてまた台風の目になるか
2場所続けて台風の目になるか。阿炎はこの日も、立ち合いから速攻を披露した。腰の重い逸ノ城を喉輪で土俵際まで押し込む。左を差されて反撃を許したが、左足を軸に絶妙のタイミングではたき込み。「自然に体が動いた。攻める意識があったのでよかった」
先場所14日目は、ただ一人の1敗として照ノ富士戦に挑んだ。ここで敗れて横綱の優勝が決まると、千秋楽はあっさり黒星。師匠の錣山親方(元関脇寺尾)から気の緩みを指摘されたという。新型コロナ対策のガイドライン違反での謹慎を経て、目指してきたのは人としての成長。「真剣に取り組むこと自体が成長させてくれる」と阿炎。反省を忘れず相撲に向き合っている。
今場所は初日からの連勝が止まった7日目から2連敗したが、その後は3連勝と盛り返し、「集中できていると思う」と手応えはある。
トップを1差で追う終盤戦。「そういうことは気にせず、集中していく」と無欲を強調したが、藤島審判部副部長(元大関武双山)は今場所も異例の横綱戦を組む可能性を示唆。成長の過程を示す27歳に、再び好機が巡ってきそうだ。