トンガ噴火で津波警報・注意報、次は「迅速に発表」
気象庁長官が会見、有識者会議を設置、メカニズムも検討へ
気象庁の長谷川直之長官は19日の定例記者会見で、トンガ諸島付近の海底火山噴火により16日に発表した津波警報・注意報について「津波か分からず、かなりの時間を要した」と認めた上で、「今度同じようなことがあったら迅速に発表したい」と述べた。近く有識者会議を設置し、噴火による気圧の変動が影響した今回の大幅な潮位上昇のメカニズムや情報発表の改善策を検討する考えを示した。
1991年のフィリピン・ピナトゥボ火山噴火では冷夏となり、日本でコメが不作になった。今回の噴火については「天候への影響は分かっていない。しっかり監視していきたい」と話した。
噴火は日本時間15日午後1時10分ごろ起き、周辺で津波を観測。気象庁は同7時すぎに「日本の太平洋沿岸で若干の海面変動が起きる可能性があるが、津波被害の心配はない」と発表した。
しかし、津波到達予想時刻より約2時間半も早く、同8時ごろから日本で潮位が上昇し始めると同時に気圧の急変を観測。トンガと日本の間では大きな津波が観測されておらず、「津波か分からないので考えるのに時間を要した」が、津波と同様に対応することを決め、16日午前0時15分に警報・注意報を発表した。
長谷川長官は「その時点では最善の判断、対応だったが、残念なことだと受け止めている」とした上で、今後は注意報基準以上の潮位が観測されたら「できるだけ早く伝えることにしたい」と話した。津波ではなく「潮位変化」としている呼び方も、津波と見なすか検討する。