福島第1原発、1号機原子炉の調査を中断
水中ロボットを使用し内部調査、線量データ表示に不具合
東京電力は12日、炉心溶融(メルトダウン)事故を起こした福島第1原発1号機で予定していた原子炉格納容器内部の調査を、準備作業の段階で中断した。放射線量などのデータ表示に不具合が見つかったという。
東電は対策ができ次第、再開するとしている。
東電によると、12日正午から準備を始めたが、調査用の水中ロボットに内蔵された線量計のデータなどが正しく表示されないことが判明。約2時間後に中断した。
調査では6種類の水中ロボットを使用。溶け落ちて格納容器底部にたまった核燃料(デブリ)や堆積物を撮影し、デブリの位置や堆積物の厚さなどを調べる。堆積物のサンプル回収や原子炉圧力容器を支える台座の内側の撮影も試みる。8月ごろまでを予定している。
2011年3月の事故で1号機の炉心にあった核燃料は溶融し、ほとんどが格納容器内に落ちたとみられている。東電は17年3月にも調査したがデブリは確認できず、撮影に成功した2、3号機と違い詳しい状況は分かっていない。