坂本花織が3年ぶり優勝、有言実行で五輪へ


「すかっとしている」、心肺機能強化し後半も演技が安定

坂本花織が3年ぶり優勝、有言実行で五輪へ

優勝し、笑顔を見せる坂本花織=25日、さいたまスーパーアリーナ

坂本花織が3年ぶり優勝、有言実行で五輪へ

女子フリーで演技する坂本花織=25日、さいたまスーパーアリーナ

 滑り終えた坂本は拳を一度、ぐっと振った。優勝候補の期待にたがわぬ、ほぼ完璧なフリー。「幸せでいっぱい。(五輪代表の)一発内定を有言実行できて、今はすかっとしている」。重圧は確かにあったのだろう。国内大会のため非公認ながらフリー、合計ともに自己ベストを上回る得点が出ると、涙があふれた。

 17歳で出場した2018年平昌五輪で6位。同年末の全日本で初優勝を遂げたものの、翌シーズンは不振に陥り「絶望という感じだった」。再びはい上がるため、体づくりを見直してきた。

 昨年のコロナ禍による自粛期間は体幹トレーニングに励んだ。今季プログラムを刷新したフリーは当初、最後まで勢いが続かず、走り込みの量を増やして心肺機能を強化した。今大会の演技前も会場の周りをランニングする坂本の姿があった。

 確固としたスタミナがあるから、後半にフリップ-トーループの連続3回転や3連続ジャンプを入れても演技が安定し、スピードに乗った滑りを持続できる。表現力などを示す5項目の演技構成点も9点台をそろえた。

 4回転やトリプルアクセル(3回転半)といった大技ジャンプがなくても勝負できる。坂本ならではのスタイルを確立した。2度目の五輪では、日本女子のエースとして強豪ロシア勢に挑む。