東京都檜原村で古民家を活用した現代アート展


「ひのはらアートプロジェクトβ 芸術と自然と東京」

東京都檜原村で古民家を活用した現代アート展

「ひざと古民家」会場からの山の眺めと八重山から放たれた「山羊」(作品)

 東京都檜原村。首都東京の水源であり、多くの木材を産出する。近年は、その自然の豊かさから移住者が増えている。
 そんな檜原村の魅力を知ってもらおうと村初のアートプロジェクト、現代アート展覧会「ひのはらアートプロジェクトβ 芸術と自然と東京」(主催:一般社団法人ブルーオーシャンほか)が開催中だ。

 村内にある築90年の古民家(「ひざと古民家」会場)と廃工場(「旧ガラス工場」仮設会場)を活用し作品を展示している。

 「芸術と自然と東京」をプロジェクトコンセプトに里山を通じ、郷の可能性を現代アートを通して探るものとなっている。

 2019年に檜原村に移住した菅谷杏樹さんは、同村でもかつて盛んだった「養蚕」をコンセプトにした作品「霧を縫う―Sew the haze」を展示。作家本人が養蚕、養蜂、農業を実践しながら作品を制作している。現在は、東京藝術大学先端芸術表現科修士課程に在籍している。

 また、沖縄・石垣島を拠点に活動している池城安武さんは、「ヒージャーを檜原村に連れてきた」を展示している。地元沖縄の八重山にいるヒージャー(島ヤギ)たちに島の模様を付けて新しい風景とのコラボレーションをつくり上げている。

 そのほか、東京で伐採された良質な木材を職人の手作業で繋(つな)ぎ合わせた大きな机の展示や東京の森を育てる林業従事者の伐採現場を撮影し、それらを集めたアーカイブ作品などさまざまな形で展示している。

 会期は12月29日まで。開場時間は11時から17時まで。入場料は500円(中学生以下無料)。問い合わせは、(電)050(5374)2627。