DMVが運行開始、道路と線路を同じ車両で走行
阿佐海岸鉄道が世界で初めて運行開始、徳島と高知を結ぶ
徳島、高知両県を結ぶ第三セクターの阿佐海岸鉄道は25日、道路と線路を同じ車両で走行する「デュアル・モード・ビークル(DMV)」営業運行を世界で初めて開始した。地元関係者は、観光地へのアクセス向上や鉄道ファンの集客などを期待している。
徳島県海陽町で記念式典が行われ、飯泉嘉門知事は「世界に向け、四国の右下から『右上がり』に夢と希望を伝えられたら」とあいさつ。同社の三浦茂貴社長(海陽町長)は「約10年かけてやっとこぎ着けた。感無量だ」と述べた。
DMVはマイクロバスを改造した乗り物で、ゴムタイヤに加え、レール上を走るための鉄の車輪を装備。鉄道とバスのモードを15秒ほどで切り替えることができ、その際には沿線にある徳島県立海部高校郷土芸能部による「海南太鼓」の演奏が車内に流れる。
第1号のDMVに乗った兵庫県西宮市の水野秀明さん(59)は「ガクンと揺れる独特の乗り心地を楽しめた」と話した。
平日は、阿波海南(海陽町)-甲浦(高知県東洋町)間の鉄道区間約10キロを含む、片道約15キロを走行。土日は平日ルートに加え、徳島と高知の室戸岬方面の片道約50キロを1往復する便を設定する。座席は18席で、インターネットで乗車予約を受け付けている。