大竹英雄名誉碁聖が引退、中邑薫二段から花束
石運びの「美学」で人気、史上4人目の1300勝を達成
囲碁の大竹英雄名誉碁聖(79)が15日、東京都千代田区の日本棋院で記者会見し、同日付で現役を引退したと発表した。大竹名誉碁聖は会見で「碁盤を見た瞬間、頭の中に良い図が浮かばなくなった。AI(人工知能)についていけなくなったところもある」と引退を決めた心境を語った。
今後については「こんなに楽しいゲームを打てることがどんなに愉快な人生になるかを伝えたい」と話した。「井山(裕太五冠)さんを先頭に立派に育っており、これからも洋々たるものがある」と次代への期待も述べ、新世代の象徴ともいえる仲邑菫二段(12)から花束を手渡されると、満面の笑みを浮かべた。
大竹名誉碁聖は北九州市出身。13歳でプロ入りし、「大竹美学」と呼ばれる華麗な石運びで人気を集めた。2019年に史上4人目となる通算1300勝を達成。タイトル獲得は名人4期、碁聖7期など。08~12年に日本棋院理事長を務めた。15年に旭日中綬章を受章。