ボクシング世界戦、井上尚弥が統一王座を防衛


変わらぬ強さ見せ、挑戦者ディパエンに8回TKOで快勝

ボクシング世界戦、井上尚弥が統一王座を防衛

WBA・IBFバンタム級タイトル戦の8回、ディパエン(右)を攻める井上尚弥=14日、東京・両国国技館

ボクシング世界戦、井上尚弥が統一王座を防衛

WBA・IBFバンタム級タイトルマッチで防衛した井上尚弥=東京・両国国技館(2021年12月14日)

 2年ぶりとなった国内の試合で、井上尚は変わらぬ強さを示した。8回TKO勝ち。「予想をはるかに下回る試合をした」と自戒を込めたが、7回までジャッジが3人とも王者にフルマークをつける快勝だった。

 手数、スピードとも勝り、威力のあるジャブとボディーブローでじわじわ相手の体力を削った。後半は距離を取りたがるディパエンを余裕の表情で追い詰め、8回に左の強打を顔面に2度当ててダウンを奪った。さらに攻め立てるとレフェリーが割って入った。

 主要4団体の王座統一という大きな目標を抱いている。今回の挑戦者は強打とタフネスさを兼ね備えていたが、井上尚にとっては物足りない相手だったことも事実。集中力は、来春に計画している他団体王者とのビッグマッチをにらむことで維持してきた。

 この試合の生中継はインターネットでの有料配信、ペイ・パー・ビュー(PPV)に限定された。日本ではなじみがない方法。料金を支払った視聴者を「満足させるだけの試合をしたい」。そう話していた通り、KO決着は果たした。

 昨年と今年に米国で臨んだ2試合でも、圧巻のパフォーマンスを示した。場所を選ばず、心身を充実させて力を出せる。そんな芯の強さも、井上尚が王者たるゆえんだ。