ミニマム級谷口将隆が新王者に、敗戦を糧に進化


王者メンデスが嫌がる理想の展開、勢い任せの試合から変化

ミニマム級谷口将隆が新王者に、敗戦を糧に進化

WBOミニマム級タイトルマッチの2回、メンデス(右)を攻める谷口将隆=14日、東京・両国国技館(代表撮影)

 11回開始と同時に谷口は観客に拍手を求め、勢いよくリング中央に飛び出した。思い切りのいい左ストレートに王者メンデスがよろめいて後退。逃さず連打を浴びせ続けるとレフェリーが試合を止めた。

 技巧派王者が嫌がる展開をつくり出した。序盤は長いリーチをかいくぐりながら前へ。2回には左フックを当ててダウンを奪う。5回からは前に出てきた王者と接近戦になったが、ボディーの打ち合いで相手の体力を削った。「全てが当てはまった」と胸を張った。

 2019年2月の世界初挑戦での敗戦を機に、勢い任せだった戦い方を変えた。「実は考えているように見えて、全然考えずに試合をしていた感じがあった」。練習では体の使い方から見直した。試合中は相手によって戦術を組み立て直す柔軟さも身に付け、世界戦の舞台に戻ってきた。リング上で「ここで人生を変えることができた。来年はもっと進化したい」と宣言した。追い求めてきたベルトの重みをかみしめるような口ぶりだった。