ポーランドの洞窟で4万年前のペンダントを発見
マンモスの牙を薄く板状に加工、表面に点線状のくぼみ
ポーランド南部にある後期旧石器時代の遺跡「スタイニャ洞窟」から、マンモスの牙を薄く板状に加工した約4万1500年前のペンダントが見つかったと、ドイツのマックスプランク研究所などの国際研究チームが26日、英科学誌サイエンティフィック・リポーツに発表した。表面にはカーブを描く点線のように小さなくぼみが50個以上あり、高い技術力が示されている。
くぼみは単なる飾りではなく、狩猟で捕らえた獲物の数か、月の位置の移り変わりを記録したとの見方もある。同様の小さなくぼみが付いた装身具は欧州やシベリアの4万~3万年前の遺跡から見つかっており、このペンダントがユーラシア大陸で最古になるという。スタイニャ洞窟にはネアンデルタール人が住んでいた時期もあったが、ペンダントは現生人類(ホモ・サピエンス)が作ったとみられる。
ペンダントは大小二つに割れており、大きい方の破片は長さ4・5センチ、幅1・5センチで、厚さは3・7ミリ程度。小さなくぼみとは別に直径2・3ミリの穴があり、ひもを通したとみられる。2010年の調査で発見され、年代が精密に測定された。くぼみを作るのに使った道具かはっきりしないが、馬の骨で作られた、先端がきりのようにとがった細い棒(長さ6・8センチ)も見つかった。