全日本大学駅伝、底力を見せた王者・駒澤大学


冷静に逃げ切ったアンカーの花尾恭輔、箱根駅伝へ自信

全日本大学駅伝、底力を見せた王者・駒澤大学

1位でゴールする駒大の花尾恭輔=7日、三重県伊勢市

全日本大学駅伝、底力を見せた王者・駒澤大学

ゴールを前にガッツポーズする駒大の花尾恭輔=7日、三重県伊勢市

 最終8区の中盤。駒大のアンカー花尾は冷静だった。トップでたすきを受け取り、青学大の飯田に追い付かれたものの、「引いたら負け」と並走。得意の後半勝負に持ち込んだ。そして残り2キロ付近で仕掛ける。そのまま逃げ切り、歓喜の表情でゴールテープを切った。

 駒大は昨季、全日本と箱根を制覇。今大会も優勝候補筆頭と目されたが、大八木監督は事前の目標を「3位以内」と控えめに。主力の鈴木らをけがで欠いているからだ。歴戦の同監督も「今までは勝つと思ってやってきたが、今年は勝てるか迷いがあった」。確固たる自信を持てなかったが、杞憂(きゆう)だった。

 想定以上の底力を発揮。1区でいきなり、ルーキー佐藤が区間新をマークした。2、3区で後退したが、4区で2年生の赤星が区間4位と好走。「自分らが田沢さんまで差を開けずにつなげるか、とやってきた」と佐藤。三大駅伝初出場だった下級生の力走を生かすべく、不動のエース田沢が7区で首位に押し上げた。

 主将でもある田沢は「主力(の何人か)がいなくても優勝。底上げができている」と胸を張る。次のターゲットは箱根だ。大八木監督は「レギュラーが復帰できるようにして、当然連覇しにいく」。今度は言葉に力強さをみなぎらせた。