漂流する軽石、JAXAが衛星画像を公開
衛星「しきさい」広い海域を日々監視、ネットで公開開始
小笠原諸島の海底火山「福徳岡ノ場」の噴火による軽石が沖縄や奄美に漂着し、船舶航行や漁業に影響している問題で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)は30日までに、沖合の海上を漂流する軽石を衛星「しきさい」で観測し、インターネットで公開し始めた。
「地球観測衛星データサイト」で観測画像を一般向けに解説しているほか、特設サイトでは沖縄・奄美だけでなく、九州から関東にかけての太平洋沖や伊豆・小笠原諸島近海を毎日観測した画像を公開している。
漂着前の軽石は帯状などにまとまった「軽石いかだ」として浮いており、広い海域に多数点在している。画像では、しきさいが赤外線や可視光で観測したデータを工夫し、本来は灰色っぽい軽石いかだを空の雲と識別できるよう、水色で示している。
軽石いかだは時間がたつと分散したり、沈んだりする可能性があるが、黒潮などの海流により北上する場合、広い海域を日々監視できる衛星画像が役に立つと期待される。
沖縄本島や奄美大島の沿岸・周辺海域の漂流状況は、海上保安庁の第11管区と第10管区の海上保安本部が航空機で観測を続けており、各本部のホームページ(HP)で公開している。産業技術総合研究所の地質調査総合センターは、福徳岡ノ場の噴火概要や沖縄本島に漂着した軽石の調査結果などをHPに掲載した。
JAXAの地球観測衛星データサイトのアドレスは、https://earth.jaxa.jp/ja/index.html
「しきさい」軽石観測画像特設サイトは、https://kazan.eorc.jaxa.jp/pumice/