候補者演説に有権者「外食喚起」 「子育て支援を」
衆院選期間中唯一の選挙サンデー、にぎわう街頭演説
衆院選で期間中唯一の日曜日となった24日、各地で候補者の街頭演説が行われた。「外食喚起策を」「子育て支援に注力して」。真剣なまなざしで候補者の主張に聴き入った有権者からさまざまな声が聞かれた。
かつてのにぎわいを取り戻しつつある大阪・ミナミには複数の与野党党首が入った。会社員の40代男性は「働き方も変わったし、飲みに行くのも我慢した。選挙を通じてもあまり変わらないと思う」とさめた様子だった。
堺市内の演説会場に家族連れで来ていた公務員の30代男性は「不安なく子育てができるように経済的支援を手厚くしてほしい」と訴えた。自身は投票するつもりだが、低下傾向にある若年層の投票率に「若者がもっと選挙に興味が持てるといい」とも話した。
東京・JR池袋駅前。夫(28)と買い物途中に候補者の演説に耳を傾けていた埼玉県戸田市の会社員女性(25)は1週間後に第1子を出産予定だ。「妊婦健診などで何十万円も掛かった。これでは少子化が進む」と、子育て支援に期待した。新型コロナウイルス流行の影響で収入が半減したという自営業男性(63)は「貯金を切り崩しながらの生活。もう一度10万円給付をしてほしい」と願った。
コロナ禍で政治への関心が高まったというお好み焼き店の男性店長(29)は「宅飲み」需要を懸念する。「売り上げが2年前の水準まで戻るか未知数。Go To イートの拡充など外食需要喚起策を」と期待を寄せた。
JR横浜駅前でも大勢が候補者の演説に足を止めた。東京都台東区から1歳の長女を連れて聴きに来た女性(29)は「選択的夫婦別姓と子育て支援」に関心がある。現在の同姓制度は「アイデンティティーを壊し、人権侵害そのもの」と感じる。同じ考えの夫(29)は男性の育休を認めない会社を見限り、転職した。女性は「育児は女の仕事だという社会の認識を変えて」と訴えた。