千曲川決壊17人死亡、浸水被害2年で黙祷
長野市豊野地区で追悼集会、「恩を一生忘れることはない」
2019年の台風19号による千曲川決壊から2年となった13日、大規模な浸水被害を受けた長野市豊野地区で、地元住民らによる「10・13を伝えていく集い」が開かれた。地元の自治協議会などが主催し、参列者が1分間の黙とうをささげた。
式典で加藤久雄長野市長は「改めて被害に遭われた方にお見舞いを申し上げたい。(今後も)心をひとつに、行政としても全力で対応したい」とあいさつした。
登壇した玉井優さん(36)は、自宅が2階の床まで水が流れ込み全壊した。県内の友人らが水や食料を手に駆け付けたといい、「助けてもらった恩を一生忘れることはない」と話した。
倉田圭司さん(40)も自宅が全壊。「来年も同じ規模の水害が起こるのではないか」と不安もあったが、土地への愛着から自宅を再建した。「被害が大きかった地域では、更地が目立つ。行政には安心だと思えるような治水対策を実施してほしい」と訴えた。
千曲川は19年10月13日、台風19号による豪雨で堤防が決壊。長野市では約4300世帯が浸水し、関連死15人を含め17人が死亡した。今年9月末時点で、約800人が仮設住宅などで生活している。