極地研が発表、オーロラが鎌倉時代に最接近


地磁気データ基に再現、藤原定家の「赤気」目撃を裏付け

極地研が発表、オーロラが鎌倉時代に最接近

北海道の北の空に現れた赤いオーロラ=2001年11月24日、北海道陸別町で撮影(銀河の森天文台提供)


 
 オーロラが見えやすい地域「オーロラ帯」の過去3000年間の変化を再現した結果、日本からの距離は鎌倉時代の1200年ごろに最も近かったと、国立極地研究所などが発表した。当時の歌人藤原定家は日記で「赤気」(せっき、赤い光の意味)を京都で目撃したと記しており、研究成果は定家の記述を裏付ける形となった。論文は国際科学誌に掲載された。

 オーロラは、宇宙から電子が地磁気(地球の磁場)に沿って地球に入り込む際、大気中の酸素や窒素と衝突して起きる発光現象。北極や南極の近くで現れやすいが、太陽表面の大規模な爆発が起きると北海道などでも観測される。

 地磁気が変化すれば、オーロラ帯もずれる。そのため同研究所の片岡龍峰准教授(宇宙空間物理学)らは、世界各地の地層に残る地磁気データなどを基にして、オーロラ帯の過去約3000年の変化を調べ再現した。

 その結果、オーロラ帯は1200年ごろ、日本に最接近していたことが判明。定家の日記「明月記」には、1204年2月の2日間、「赤気」が目撃されたとの記述がある。従来の研究でも、この時期の京都は地磁気の変化によりオーロラが現れる条件が満たされ、「赤気」が赤いオーロラを示すことが明らかになっていた。今回の成果は、この記述の正しさをさらに裏付けるものという。

 片岡准教授は「地磁気の乱れについて過去3000年分の正確な変化が再現できた。地磁気の大きな乱れは大規模停電を起こす恐れがある。今回の成果は、将来起きうる停電被害の想定を示すハザードマップ作りの第一歩になるのでは」と話している。