温度や痛みなどを感じる「センサー」を発見


ノーベル医学生理学賞に米2氏を選出、疾患の治療に応用

温度や痛みなどを感じる「センサー」を発見

2021年のノーベル医学生理学賞に選ばれた2人の写真を映すモニター=4日、ストックホルム(AFP時事)

 スウェーデンのカロリンスカ研究所は4日、2021年のノーベル医学生理学賞を、温度や痛みなどを感じるセンサーの役割を果たすたんぱく質を発見した米カリフォルニア大サンフランシスコ校のデービッド・ジュリアス教授(65)と米スクリプス研究所のアデム・パタプーティアン教授に授与すると発表した。

 授賞理由は「温度と触覚の受容体の発見」。

 ジュリアス教授は1990年代後半、唐辛子の成分であるカプサイシンを使った実験で、痛みや熱を神経細胞に信号として伝えるたんぱく質(受容体)「TRPV1」を発見した。

 パタプーティアン教授は、微細な針で突いた際に電気信号を発する細胞から、圧力や触覚のように機械的な刺激を検知する受容体を発見した。これらの発見から温度や痛み、圧力などを感じる仕組みの解明が進み、慢性的な痛みをもたらす疾患の治療などにも役立てられている。

 例年、授賞式は12月10日にストックホルムで開かれるが、昨年に続き、新型コロナウイルスの影響で方式を変更。受賞者は自国でメダルと賞状を受け取る。