エチオピア、内政干渉理由に国連職員7人を追放
ティグレ州の紛争で40万人が飢餓に、人道支援に懸念
エチオピア外務省は9月30日、国内駐在の国連職員7人について、エチオピアへの「内政干渉」を理由に国外追放処分にするとフェイスブックを通じて発表した。エチオピアでは北部ティグレ州の地元勢力と政府の対立が続いており、州内の人道支援活動に悪影響が及ぶと懸念が出ている。
7人には国連児童基金(ユニセフ)の現地代表が含まれる。外務省は7人を「ペルソナ・ノン・グラータ(好ましからざる人物)」に認定。「リストに挙げた7人は72時間以内にエチオピア領内から出国しなければならない」と通告した。
国連のグテレス事務総長は今回の決定に「衝撃を受けた」と表明し、処分撤回という「大きな期待感を持って」エチオピア政府と協議中だと明らかにした。サキ米大統領報道官も追放は「前例のない措置だ」と指摘し「最大限の強い言葉で」非難すると述べた。
昨年11月から始まった戦闘は「ティグレ人民解放戦線(TPLF)」の反撃で、隣接するアムハラ州やアファール州に拡大している。ティグレ州への支援物資は「エチオピア政府の妨害」(米政府)で1割程度しか届いていないとみられ、国連は7月、40万人が飢餓に陥っていると警告していた。(アディスアベバAFP時事)