「京急油壺マリンパーク」が53年の歴史に幕


神奈川県三浦市で、最終日は5300人が来館、別れを惜しむ

「京急油壺マリンパーク」が53年の歴史に幕

京急油壺マリンパークで行われたイルカショーの最終公演=30日午後、神奈川県三浦市

 神奈川県三浦市の「京急油壺マリンパーク」が30日、施設の老朽化のため閉館し、53年の歴史に幕を下ろした。家族連れなどに長年親しまれ、最終日は約5300人が来館し、別れを惜しんだ。

 京浜急行電鉄の創立70周年事業の一環として、1968年にオープン。外周約80メートルと、開業当時には東洋一といわれた大回遊水槽があり、81年にイルカやアシカのショーが楽しめる日本初の屋内スタジアムを導入。希少なキタイワトビペンギンの繁殖や、体長5・7メートルのメガマウスシャークの標本展示も行われた。葉山御用邸(葉山町)が近く、皇室の方々もたびたび訪問されていた。

 この日は午後に雨が降る場面もあったが、子供からお年寄りまで幅広い世代の人たちが来館。最後のショーには約300人が入場し、新型コロナウイルス感染拡大で大声が出せない中、イルカたちの躍動感あふれる演技に、温かい拍手が響き渡った。

 閉館時には職員一同が出口の前に並び、「53年間ありがとうございました」と来場者らに頭を下げた。

 子供と一緒に入場した30代の女性は「結婚後はなかなか来ることができなかったが、閉館と聞いて小田原から駆け付けた。子供の頃に遊びに来ていた地元の施設がなくなるのは非常に悲しい」と残念がった。