御嶽山噴火から7年、遺族らが献花し黙祷捧げる
「素直で本当に良い子だった」遺族の父が千羽鶴を供える
死者58人、行方不明者5人を出した御嶽山(長野・岐阜県境、3067メートル)の噴火は27日、発生から7年を迎えた。麓にある長野県王滝村の松原スポーツ公園では献花式が開かれ、遺族らが発生時刻の午前11時52分に合わせて黙とうをささげた。献花式は王滝村と同県木曽町が主催。例年開かれていた追悼式は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止となり、規模を縮小して献花式を開催した。
亡くなった荒井真友さん=当時(41)=の父寿雄さん(79)=同県東御市=は「友達に恵まれ、素直で本当に良い子だった」としのび、持参した千羽鶴を献花台に供えた。噴火時、真友さんと一緒だった同僚男性(47)も参列し、「7年はあっという間だった。(真友さんの両親を)見守っていてほしい」と話した。
遺族らでつくる「山びこの会」は午前8時から御嶽山の登山口で、ヘルメット着用などを呼び掛けるメッセージを記したキーホルダーを登山客に配布した。夫の伊藤保男さん=同(54)=を亡くしたひろ美さん(60)=東御市=は献花後、「(災害が)だんだんと忘れられてしまうのはつらい。少しずつでも活動をし、安全な登山を目指していきたい」と話した。
御嶽山は2014年9月27日に噴火し、噴石が登山者らを直撃した。今月26日には多くの犠牲者が出た王滝頂上と剣ケ峰をつなぐ尾根「八丁ダルミ」に初めて遺族らが慰霊目的で入った。