世界で最も白い塗料、米パデュー大が開発


太陽光反射率99.1%、エアコンの省エネルギーに期待

世界で最も白い塗料、米パデュー大が開発

硫酸バリウムの微粒子を主原料とする「世界で最も白い塗料」の温度上昇を調べる実験(米パデュー大提供)

 米パデュー大の教授らが開発した白い塗料が、英ギネス・ワールド・レコーズ社から世界で最も白い塗料に認定された。同大が23日までに発表した。この塗料は硫酸バリウムの微粒子が主原料で、太陽光の反射率は市販の白い塗料の80~90%程度を上回る98・1%を達成。建物の壁や屋根に塗ると、温度が周囲に比べて上がりにくくなる。エアコンの省エネルギーにつながると期待され、商品化が進められている。

 硫酸バリウムは白色の粉末で、塗料や化粧品、胃腸のX線検査用造影剤など、さまざまな製品に使われている。

 同大のシューリン・ルアン教授らは当初、広い面積に大量に使うコストなどを考え、貝殻や石灰岩の成分である炭酸カルシウムで白い塗料を試作したが、硫酸バリウムの方が太陽光を反射する性能が優れていると判断。太陽光には紫外線や可視光、赤外線が含まれており、硫酸バリウムの微粒子のサイズを大小ばらばらにすることで、幅広い波長の光を反射するよう工夫した。さらにアクリル塗料にする際、硫酸バリウムの割合を6割と濃くした。