ビットコイン、中米エルサルバドルで法定通貨に
世界初の試みに反対派多数、激しい価格変動に不安の声も
中米エルサルバドルで7日、代表的な暗号資産(仮想通貨)のビットコイン(BTC)を法定通貨にする法律が発効した。BTCの法定通貨化は世界初。ただ、取引に使う公式アプリが、米アップルやグーグルが運営する配信サイトでダウンロードできないなどのトラブルが発生。価格変動が激しいBTCの使用を不安視する声も上がっている。
「われわれは歴史をつくる」。エルサルバドルのブケレ大統領はツイッターへの投稿で、世界に先駆けた取り組みを誇るとともに、政府として550BTC(日本時間8日午前時点で約28億円相当)を保有していると明らかにした。法定通貨化に伴い、同国では買い物や給与支払い、税金納付にもBTCを利用できるようになった。同じく法定通貨である米ドルの使用も継続する。
政府は、BTCとドルを交換する「現金自動預払機(ATM)」を配備。公式アプリ取得者に30ドル(約3300円)相当のBTCを付与する計画も打ち出した。ただ、初日に公式アプリの配信に対応したのは中国の華為技術(ファーウェイ)だけで、出だしからつまずく格好となった。
米メディアによると、現地の世論調査では65%以上がBTCの導入を望まず、80%が信用できないと回答。BTCで年金を給付しないよう求めるデモも起きた。小売店などからは準備が整っていないとの声も出ているという。(ニューヨーク時事)