東京パラリンピック閉幕、共生の思いを未来へ
アスリートをねぎらう、「違いが輝く」可能性伝える式に
13日間の日程を終え、東京パラリンピックが5日、閉会した。コロナ禍で1年延期となる異例の大会となったが、選手たちは困難に負けず懸命に戦い、違いを認め合い、互いをたたえる姿で、共生社会の意義や人間の可能性を伝えた。「全ての人が輝く街」をテーマに「多様性と調和」を訴えた閉会式。光と音、そして拍手がアスリートをねぎらった。
選手は開始前に入場を済ませ、記念撮影する姿は皆誇らしげだ。開演直前にはウエーブがわき起こり、会場は一体感に包まれた。
午後8時、障害を抱えるミュージシャンの刻むビートとともに閉会式が始まった。極彩色の衣装に身を包んだダンサーが、輝くネオンと電子音で表現した「クールジャパン」。花火が打ち上げられる中、全てのパラリンピアンに感謝をささげるメッセージが浮かび上がった。
国歌斉唱の後、参加各国・地域の旗が入場。アフガニスタンの出場選手2人もボランティアらの拍手に出迎えられ、笑顔を浮かべた。大トリの日本は卓球の岩渕幸洋選手が旗手を務め、顔をほころばせながら日の丸を振った。
バルーンアートなどで再現された東京の街を舞台にしたパフォーマンス。カクテル光線と音楽が会場を盛り上げた。夜空を照らす花火でフィナーレを迎えると、会場に大きな拍手が響いた。
1964年に続き、初めて2度目の開催都市となった東京。「違いが輝く」世界の実現に向け、次の舞台パリへと引き継がれた。