バドミントン梶原大暉、野球経験が生きて頂点


連続失点にも焦らず攻め切る、世界1位にストレート勝ち

バドミントン梶原大暉、野球経験が生きて頂点

バドミントン男子シングルス(車いすWH2)で優勝し、金メダルを手にする梶原大暉=5日、国立代々木競技場

 男子シングルス(車いすWH2)は梶原大暉(日体大)が初代王者となった。1次リーグ、準決勝と格上を撃破し、決勝でも世界ランキング1位の金正俊(韓国)にストレート勝ち。金メダルを決めると、左手を突き上げて喜んだ。

 鍛えてきたチェアワークがさえた。第1ゲーム最初の長いラリーを制して勢いに乗る。15-10からの7連続失点にも「焦りはなかった」。甘い返球を確実に仕留めてこのゲームを取ると、一進一退の第2ゲームも押し切った。

 福岡市出身の19歳。中学2年の時、野球の練習に向かう途中に交通事故に遭った。右脚を切断し、左脚にもまひが残った。パラバドミントンに出会ったのは高校生の時。野球のフライを捕るように、シャトルが落ちる位置を察知する空間認識能力が優れていた。厳しい練習も耐え、「やり抜けるメンタルは野球で培われた」という。

 今後については、車いすテニスの第一人者の名前を挙げ、「国枝さんのような、顔である存在になりたい」。東京大会で初採用されたバドミントンを引っ張っていく決意を示した。