50歳の杉浦佳子、2個目の金にようやく安堵


一騎打ちを制し完勝も謙虚な姿勢、コーチの期待に応える

50歳の杉浦佳子、2個目の金にようやく安堵

自転車ロードの女子個人ロードレース(運動機能障害C1〜C3)、1位でゴールしガッツポーズする杉浦佳子=3日、静岡・富士スピードウェイ

 富士スピードウェイに戻り、最後の直線に入った時には勝利は決定的だった。女子個人ロードレース(運動機能障害C1~C3)の杉浦佳子(楽天ソシオビジネス)は、それでもスピードを落とさない。ロード種目での2冠達成。小さなガッツポーズで喜びを表現した。

 「(コーチの)期待に応えたい」。8月31日のタイムトライアルで金メダルを取っても、気を緩めることはなかった。直後からロードレースの作戦を再考。金を手放しで喜ぶことなく、2種目目に気持ちを切り替えて臨んだ。2個目の金メダルを受け取ると、「これでほっとしていいんだ」。ようやく偉業達成の喜びをかみしめた。

 この日は13・2キロのコースを3周するレース。終盤、先頭争いは4人に絞られた。杉浦が1度目のアタックをかけると、中国選手との一騎打ちに。「どうせ、ついてくると思っていた」。最後の上り坂で再びスピードを上げると、相手に余裕はなかった。「コーチの指示通り。言われた通り全部やった」。完勝にも謙虚に指導者をたたえた。

 2016年に自転車レース中の事故で障害を負い、17年からパラサイクリングの舞台へ。世界選手権で優勝するなど、数々の栄光を勝ち取ったが、東京パラリンピックが1年延期になると引退を考えるほど精神的に落ち込んだ時期もあった。「自分の存在価値が分からなくなったこともあったが、メダルを取れて本当によかった。(支えてくれた)皆さんにありがとうございましたと言いたい」。感謝の心を忘れないロードの女王。表彰式後も、大会を支えたボランティアに頭を下げ続けた。