競泳男子のエース木村敬一、100平でまず「銀」
取り戻した軽快な泳ぎ、本命前に心と体の準備は整う
競泳男子のエース、木村敬一(東京ガス)が、本命と考える種目を2日後に控えて、軽快な泳ぎを取り戻した。男子100メートル平泳ぎ(視覚障害SB11)で2位となり、今大会最初のメダル。「(予選の結果などから)しっかり3番に入りたいと思っていたけど、いいレースができてよかった」と喜んだ。
前半50メートルはピッチを上げ、1番手で折り返した。後半も隣のコースのオランダ選手と終盤まで激しく競り合いながら、最後はわずかな差。「後から聞いたらちょっと悔しいかな」と言いながらも表情は明るい。
今回は4度目のパラリンピック。最大の目標は、まだ手にしたことのない金だ。競泳最終日の3日に行われる最も得意な100メートルバタフライ(視覚障害S11)に照準を合わせてきた。他の種目はそこに至る「ステップ」。今大会最初の出番だった8月30日の200メートル個人メドレー(視覚障害SM11)は5位に終わり、さすがに不安が残った。しかし、銀を手にして「100メートルの種目で十分戦える。大丈夫だと思えた」と自信を取り戻した。
個人メドレーと比べて、予選と決勝の間で変えたことを問われると、「オレンジジュースをりんごジュースに変えたくらい。うそやけど」と笑顔。泳ぎとともに軽妙な語り口も普段通りに。悲願達成へ、心と体の準備は整ったようだ。