車いすテニスの大谷桃子、地力の差を痛感
世界1位の相手にストレート負け、暑さでのトラブルも
車いすテニス女子シングルス準々決勝で大谷桃子(かんぽ生命保険)が、世界ランキング1位のディーデ・デフロート(オランダ)に挑み、ストレート負け。試合後は気丈に話すうちに、涙が抑えられなくなり「このようなプレーをしてしまって申し訳ない」。悔しさで声を震わせた。
回転の利いた球を積極的に使う相手に主導権を奪われ、ラリーは返すのがやっと。ダブルフォールトにつけ込み、ゲームを連取した場面もあったが、最後は地力の差が出た。
病気で両脚などにまひが出た後、車いすテニスを始めたのは5年ほど前。テニスで高校総体に出た経験も生かして少しずつ成長した。握力が弱い右手はラケットを持ちやすいようにテーピングで固定し、サーブではトスを上げる位置を変えるなど工夫も重ねた。
今回は想定外の暑さもあり、頼みのテーピングが摩擦熱も加わって切れてしまうトラブルもあった。「経験したことがない頻度。気を取られてしまった」と残念そうに振り返る。
初出場で8強入りと健闘を見せた。上地結衣と組む女子ダブルスでは準決勝に進んでおり、活躍の場はまだある。「しっかりと良いプレーをお見せできるように頑張りたい」と言葉を振り絞った。