アフガン選手団来日、タリバン制圧で一時絶望視
2人が出場、大会後は豪州で難民として保護される見通し
国際パラリンピック委員会(IPC)は28日、東京パラリンピックのアフガニスタン選手団(男女2人)が出場のため来日したと発表した。母国が混乱する中、2人はオーストラリアなどの支援で出国。パリを経由し、同日到着した。
「助け出してほしい」と国際社会に動画で訴えていたテコンドー女子のザキア・クダダディ選手は9月2日の競技に、陸上男子のホセイン・ラスーリ選手は今月31日の走り幅跳びにそれぞれ出場する。出発前と到着後に必要な新型コロナウイルス検査は済ませたという。
2人は当初、日本に17日に到着する予定だった。イスラム主義組織タリバンが15日に首都カブールを制圧したことで足止めされ、IPCは「残念ながら参加できない」と一時、絶望視していた。24日の開会式では「連帯と平和のメッセージ」(IPCのパーソンズ会長)を示すべく、選手団不在のままアフガン国旗が入場していた。
アフガンでは旧タリバン政権の恐怖支配の記憶から、女子選手がスポーツを続けられず、身に危険が及ぶとの懸念が強まっている。豪公共放送ABCによると、2人は東京パラリンピックの後、豪州で難民として保護される見通しだ。(時事)