14歳の山田美幸、日本勢史上最年少で銀メダル
夢の舞台「緊張を楽しんだ」、突き詰めた泳ぎを披露
小さな体を思い切り使って、14歳の山田美幸(WS新潟)が日本勢史上最年少となるメダルを獲得した。女子100メートル背泳ぎ(運動機能障害S2)で2位。「楽しかった。(決勝は)開き直って、緊張を楽しもうと思っていた」。初めて挑んだ世界の舞台でも臆せず、自分が突き詰めてきた泳ぎを披露した。
運動機能障害の中で2番目に重いクラス。生まれつき両腕がなく、泳ぐときは長さの違う両脚と体全体をしならせて進む。腕を使える選手もいる中、「自分の泳ぎは(脚の)ストロークを少なくして、量より質の泳ぎ方」と自信を持っていた。
予選に続き決勝でも自分の泳ぎに集中。スタート直後、トップに出たことにも気付いていなかった。折り返し手前で隣のコースのシンガポール選手に抜かれた後もターンで食らい付いた。残り25メートルを切ってから離されてしまったが、「(隣の選手は)全く意識していなかった」。3位以下には大差をつけた。
ぜんそくを克服するために水泳を始めた頃から、水の中では他の人との大きな違いを感じなかった。パラリンピックでの活躍を目指すようになったのは2016年のリオデジャネイロ大会がきっかけ。「ここまで来られるとは思っていなかった」というが、強い気持ちを持ち続け、わずか5年で夢を実現。9月2日の50メートル背泳ぎにも出場予定で、「金を取れるように頑張りたい」。まだまだ夢の舞台を楽しむ。