米ファイザー製のワクチン、米で使用を正式承認
ワクチン接種加速に期待、「重要な節目を迎えた」
米当局は23日、米ファイザー製の新型コロナウイルスワクチンについて、16歳以上への使用を正式に承認した。感染力の強い「デルタ株」が広がる中、正式承認をきっかけに接種の加速が期待されている。
「コロナとの戦いにおける重要な節目を迎えた」。バイデン米大統領はこう述べ、正式承認を歓迎した。米食品医薬品局(FDA)は昨年12月以降、安全性などをめぐる短期間のデータに基づいてワクチンの緊急使用を認めてきた。今回は、より長期のデータを根拠に正式な「お墨付き」を与えた形だ。米モデルナなど他社製にも、今後同様の決定が出るとみられる。
米国で接種対象になっている12歳以上のうち、接種を終えたのは約6割。正式承認によって、安全面への懸念から接種をためらう人への投与が進むことが期待されている。米NPO「カイザー・ファミリー財団」の調査によれば、未接種者のうち31%は、ワクチンが正式承認されれば接種する可能性が高いと答えた。
職場での接種義務化も進みそうだ。23日には国防総省が全ての米軍兵士に、ニューヨーク市も公立学校の教職員に、接種を義務付けると表明。民間企業でも、米石油大手シェブロンが一部の従業員への義務化方針を明らかにした。
デルタ株の拡大や経済活動の正常化に伴って、米国では7月ごろから再び感染が増えている。新規感染者数の7日間平均は8月、2月以来約半年ぶりに10万人を超えた。バイデン氏はデルタ株感染が「ワクチン未接種者の間で広がっている」と指摘。正式承認をてこに、接種率を引き上げたい考えだ。(ニューヨーク時事)