57年ぶり2度目、東京パラリンピックが開幕
史上最多の4403選手が参加、緊急事態宣言の中で開幕
障害のある選手によるスポーツの祭典、東京パラリンピックは24日、無観客の東京・国立競技場で午後8時から開会式が行われ、天皇陛下が開会宣言された。新型コロナウイルスの影響で、東京五輪とともに史上初の1年延期を経ての開催。国内では感染拡大が収まる見通しが立たず、この日発表された全国の新規感染者は2万人を超え、重症者は最多を更新。競技会場のある1都3県全てで緊急事態宣言が発令される中、開幕を迎えた。
東京での開催は1964年以来57年ぶり2度目。同一都市で2度目の夏季パラリンピックが行われるのは初めて。開会式翌日の25日から閉会式が行われる9月5日まで、22競技539種目で熱戦が繰り広げられる。
161の国・地域(ロシア選手は個人資格)と難民選手団から史上最多の4403選手が参加。女子選手は1853人で同様に史上最多。新型コロナの影響などで参加できなかった国もあり、選手団の数は2012年ロンドン大会の164に次ぐ2番目となった。
日本選手は史上最多の254人が全競技に出場し、参加国・地域中、最大規模となった。前回のリオデジャネイロ大会でゼロだった金メダルは、20個獲得を目指す。
日本は五輪同様に男女の旗手を起用。開会式では卓球男子の岩渕幸洋(協和キリン)、トライアスロン女子の谷真海(サントリー)両選手に率いられ、入場行進した。公道での聖火リレーは大半が中止されたが、47都道府県と大会発祥地の英国ストークマンデビルの火が一つになって誕生した聖火が、車いすテニス女子の上地結衣選手(三井住友銀行)ら3人によって国立競技場の聖火台にともされた。
政府や大会組織委員会などは感染対策のため、東京都、千葉、埼玉、静岡各県の全競技会場を原則無観客とした。一方、希望する自治体や学校の児童生徒を対象とする「学校連携観戦プログラム」は実施する。