「高輪築堤」を国史跡に、「文明開化を象徴」


文化審がスピード答申、海上に線路を敷設する目的で築造

「高輪築堤」を国史跡に、「文明開化を象徴」

国史跡に指定される高輪築堤跡。写真は第7橋梁(きょうりょう)部(東京都港区提供)

 文化審議会(佐藤信会長)は23日、日本初の鉄道路線の一部で、当時の海上に築かれた「高輪築堤」(東京都港区)の遺構を史跡に指定するよう、萩生田光一文部科学相に答申した。近く正式に指定される。審議会は「明治日本の文明開化を象徴している」と高く評価した。

 指定されるのは遺構の一部。既に国の史跡となっている「旧新橋停車場跡」に追加され、停車場跡は「旧新橋停車場跡および高輪築堤跡」に名称変更される。JR高輪ゲートウェイ駅(港区)周辺の再開発工事で見つかり、緊急的な保存が必要だとして異例の早さで手続きが進んだ。

 高輪築堤は1872(明治5)年に新橋―横浜間を結ぶ初の鉄道が開業した際、海上に約2・7㌔の線路を敷設する目的で造られた。鉄道建設をめぐり政府内で意見が対立し、用地取得が困難だったため海上に築かれたとされる。