50年前の〝ロボット楽団〟発見


故相澤次郎氏が作成、修復に向けボランティアを募集中

50年前の〝ロボット楽団〟発見

発見された15体のロボットと修復の準備を進めている岡本正行社長=17日午後、神奈川県厚木市のロ
ボットゆうえんち(石井孝秀撮影)

 子供たちに夢と希望を与えようと、1955~65年にかけて多数のロボットを作り、「ロボット博士」と称された故相澤次郎氏によるブリキ製ロボットがこのほど、新たに15体発見された。これまで現存が確認されているのは11体のみで、ロボットのイベント事業などを手掛ける「ロボットゆうえんち」(神奈川県厚木市)ではボランティアを募集し、修復に向けた準備を進めている。

 相澤氏によって作られたロボットは「相澤ロボット」と呼ばれ、800体ほどが製造された。1970年の日本万国博覧会(大阪万博)にも出展されたが、その多くは消失・行方不明の状態。このたび遺族の自宅から発見されたのは、指揮者を含む15体の楽団ロボットで、手にはバイオリンやトランペット、太鼓などの楽器を持つ。音を出す仕組みはないものの、電気仕掛けで手足や頭を動かすことができたと考えられている。

 ロボットゆうえんちを運営するMANOI企画の岡本正行代表は「大変貴重な発見。ご遺族からは、可能なら昔のように修復し、子供たちが見て楽しめる場所に寄贈したいという宿題を頂いている」と話す。そのため、修復だけでなく、展示施設の募集も行っている。

 修復の一番の課題は楽団ロボットの塗装。製造から約50年が経過し、向きを変えたりエアコンの風だけで塗装がぽろぽろと落ちてしまう状況だ。そのため、塗装技術を持つ工業関係者や文化財保存に詳しい美術館・博物館の学芸員などが「ボランティアに加わってもらえるとうれしい」(岡本代表)という。問い合わせはロボットゆうえんち、(電)046(225)5210まで。