国立競技場を見守った木が笛に、コンサート開催


建て替え工事のため伐採され小さな木の笛「コカリナ」に

国立競技場を見守った木が笛に、コンサート開催

旧国立競技場周辺の木を利用して作られた楽器「コカリナ」を吹く黒坂黒太郎さん=22日午後、東京都新宿区

 国立競技場の建て替え工事で伐採された樹木で作った笛によるコンサートが22日、新宿文化センター(東京都新宿区)で開かれた。「世界中の友達に平和を」と題し、24日に開幕する東京パラリンピックの成功を祈った。

 NPO法人「日本コカリナ協会」(豊島区)が主催し、愛好家や小中学生のバレエ団ら約100人が出演。2015年に伐採された競技場周辺のケヤキなどを用い、同協会が小さな木の笛「コカリナ」を製作した。

 同協会の黒坂黒太郎会長(72)は、伐採された木々は学徒出陣や前回の東京大会を見守ってきたとし、「何としても音楽にしたかった」と語った。出演者は岩手県陸前高田市の「奇跡の一本松」の木くずから作ったスカーフを着用し、東日本大震災からの復興も願った。当初、コンサートでは地元の小学生も演奏を披露する予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大で見送られた。コンサートの模様はユーチューブでも配信された。