夏の甲子園、1日で2校出場辞退の異常事態


コロナの猛威が直撃、宮崎商と東北学院から陽性者を確認

夏の甲子園、1日で2校出場辞退の異常事態

甲子園出場辞退を受け、記者会見する宮崎商の門田誠校長(中央)ら=17日午後、宮崎市

 2年ぶりの夏の甲子園は、猛威を振るう新型コロナウイルスから逃れることはできなかった。宮崎商(宮崎)の選手らから13人の陽性者と8人の濃厚接触者が判明。続いて、選手1人の陽性者とチーム連絡係である主催者、朝日新聞記者を含む計4人が濃厚接触者として確認された東北学院(宮城)が、2回戦からの出場断念を発表した。開幕後の辞退は全国選手権大会史上初めて。1日で2校の辞退が発表され、衝撃が走った。

 主催者からは、宮崎商の感染者の内訳や東北学院の感染経路などの発表はなかった。2校の出場辞退が出たことについて、日本高校野球連盟の八田英二会長は「大変残念」と表情を曇らせた。

 宮崎商、東北学院とも、大会本部では「感染対策ガイドラインに違反するような行動はなかった」と説明しているが、なぜ感染に至ったのかの詳細は不明だ。

 2校の出場辞退が出た異常事態にも、主催者側には大会打ち切りをするかどうかについての議論は、一切ない。大会を最後まで続ける意向を繰り返し強調した。

 西日本などで続く豪雨の影響により、日程は順延続きで選手の宿舎滞在は延び延びとなっている。決勝は28日の予定で、会期はまだ10日以上残り、大会完遂はコロナのリスクと隣り合わせ。不戦勝で勝ち上がるチームが出てくることで、公平性の問題も生じてくる。