夏休みの宿題はオリパラで! 自由研究に人気


国旗や会場周辺を調査、「『なぜ』を調べて」と専門家

夏休みの宿題はオリパラで! 自由研究に人気

東京五輪開会式を前に、国立競技場近くで記念撮影する子供たち=7月23日、東京都新宿区

 夏休みの宿題で取り組む自由研究の題材に「五輪・パラリンピック」が人気だ。東京五輪をきっかけに国旗について調べたり、会場周辺の様子を観察したりする子供も多い。専門家は「歴史を学び、『なぜ』と思った疑問を調べてみては?」と提案する。

 福岡県の言語聴覚士藤原絵美さん(36)の次男で、小学2年生の颯真君(7)は、自由研究のテーマに国旗を選んだ。五輪開会式を見ながら「世界には似ている国旗がたくさんあるね」と話したことがきっかけだ。ユーチューブの動画を参考に、色や模様が似た国旗を並べ、それぞれに国の説明を付け加える作品づくりに励んだ。藤原さんは「国旗の成り立ちを知れば、国の背景も学べる」と目を細める。

 「自由研究のために来ました」。千葉県船橋市の会社員男性(48)は1日、小学3年の娘(8)を連れ、猛暑の国立競技場を訪れた。五輪モニュメントの前で記念撮影。選手らと外部の接触を遮断するバブル方式の様子などを観察するため、会場周辺を親子で歩いた。

 子供たちを支援する動きも。上智大の学生団体「Go Beyond」は9日、パラスポーツに触れるイベントを開催。障害者と健常者が一緒に楽しめる遊びについて話し合う機会を設け、ボッチャで使うボールの作り方をオンラインで教えるなどした。企画者の1人で同大3年の加藤愛梨紗さん(20)は「多様性や共生を考える子が増えてほしい」と訴えた。

 教育学者の汐見稔幸・東京大名誉教授は、自由研究で取り上げることについて「差別や選手村についてなどテーマはいくらでも出る。調べていくと、世の中のことが見えてくる」と話している。