聖火が消され、世界に「ARIGATO」の文字
選手へのねぎらいとボランティアへの感謝を込めた閉会式
新型コロナウイルスの感染が広がる中で開催された、異例づくしの大会を締めくくった8日の東京五輪閉会式。全力で競い合った選手へのねぎらいと、ボランティアらへの感謝を表す演出に、フィールド上の選手らは惜しみない拍手を送った。
台風一過の生暖かい風が吹き込む、無観客の国立競技場。午後8時、式は大会を振り返る映像からスタートした。
1964年の東京五輪開会式を彩った「オリンピックマーチ」が流れる中、空手男子形で金メダルを獲得した喜友名諒選手を先頭に、各国の旗手が姿を現した。感染対策のため閉会式を待たずに帰国した選手も多く、一部の国は大会ボランティアが代役を担った。
選手らは東京の公園をイメージした芝生敷きのフィールドに、各国別に笑顔で入場。フィールド上では選手が入り乱れ、写真を撮り合ったり、音楽に合わせて踊ったりと思い思いに過ごした。
式典では、競技会場や選手村などでサポートに当たった大会ボランティアへ謝意を示すセレモニーも。8人のボランティアに花束が渡されると、選手からはこの日一番の拍手が送られた。「東京音頭」が流れ、盆踊りが披露されると、一部の海外選手も一緒に踊った。
最後に、聖火は消され、大型スクリーンに「ARIGATO(ありがとう)」の文字。「SAYONARA(さよなら)」の表示で余韻を残した64年から時代は移った。