女子ゴルフの稲見萌寧、3位に浮上メダル圏内へ


「ずっと楽しい状態」、安定のティーショットに手応え

女子ゴルフの稲見萌寧、3位に浮上メダル圏内へ

ゴルフの女子第3ラウンド、18番でティーショットを放つ稲見萌寧=6日、埼玉・霞ケ関CC

 重圧を感じる選手が多いであろう五輪の舞台を、稲見は楽しんでいる。着実に三つ伸ばし、3位に浮上。「あしたも変わらず楽しんで、少しでもスコアを伸ばせたらいい」。気負うことなく、ゴルフでは日本勢初のメダルを射程圏内に捉えた。

 3日間のフェアウエーキープ率は83・33%で、全選手でトップ。堅実なティーショットは「すごくいい状態というわけではないけど、めちゃくちゃ悪いというわけでもない」。評価は控えめだが、「ラフから打つ回数が少ないから、スコアにつながるのかな」と手応えを感じている。

 3番で11メートルをねじ込んで伸ばすと、5番から連続バーディー。9番のボギーを10番ですぐ取り返し、13番では5メートル弱を沈めてバーディーを奪い、右拳に力が入った。グリーンのラインを読み間違えて落とした18番は「もったいない」と言いつつも、「ずっと楽しい状態で回れていた」。

 服部道子コーチは「18番のボギーが(最終日に)力になってくれる。調子の良さは感じた」と22歳に期待する。ポイントとして、「自分のマネジメント通りのプレーをすること」と指摘した。

 稲見が「メダルよりも、順位やスコアを良くしたい」と繰り返すのは、メダル獲得に懸ける思いの裏返しか。「欲しいからこそ、自分をわざわざ追い込む必要はない」。己を律し、勝負の最終ラウンドに挑む。