レスリングの川井友香子、力強く決勝に進出
フィジカルを強化して弱点を克服、「泥臭くても勝つ」
初めての五輪とは思えないほど冷静だった。準決勝で接戦を制した川井友は「メダルが取れるか取れないかが決まる試合。勝ててよかった」。銀メダル以上を決め、厳しかった表情が少し緩んだ。
相手は3年前の世界選手権決勝で敗れたユセイン。スピードも技術もある強豪に対し、組み手争いで互角以上に渡り合った。前半は少ない好機でポイントを取り合って2―2。相手の動きが鈍った第2ピリオドはよく前に出て、1点を奪取した。「外国勢はスタミナがない。第2ピリオドで勝負という作戦がはまった」と胸を張った。
この階級では体格が小さく、世界選手権では海外勢にパワーで押されることが多かった。弱点を克服するため、五輪1年延期で生まれた時間で計画的にフィジカルを強化してきた。「以前ほど力の差を感じず、押し負けなかった。レスリングで勝負できた」と成果を実感した。
リオデジャネイロ五輪金メダルの姉、梨紗子の背中を追い続けてきた。「あしたから梨紗子の試合がスタートする。私がきょう全部勝って、いい流れでつなげたかった」と力強い言葉。決勝に向けては「泥臭くても、勝つレスリングをしたい」。姉妹での金メダル獲得へ、一心不乱に突き進む。