ボクシングフライ級の田中亮明、メダルを確定
弟・恒成の助言で進化、「メダルよりかっこいい試合を」
勝利のアナウンスを聞いた男子フライ級の田中が、膝から崩れ落ちた。直後、取材エリアではなく医務室に。しばらくしてインタビューに応じると、「本当は叫んでやろうと思ったけど、酸欠で死ぬかと思った」。出し尽くした一戦を笑顔で振り返った。
前回リオデジャネイロ大会でライトフライ級銀メダルの実力者に対し、無心で前に出た。1回こそ相手が優勢だったが、2回以降はボディーブローを効かせて互角以上の展開に。運動量で上回って逆転した。
弟はプロで世界3階級制覇を達成している恒成。新型コロナウイルスで五輪が延期となった1年間で、それまで助言を求めることはなかった弟の意見も採り入れた。どんなことも吸収して攻撃的スタイルを身に付けた。
1回戦でもリオ五輪銀メダリストを破るなど、破竹の勢い。メダルは確定させたが、「正直、メダルは重要ではなくて、どれだけ自分がかっこいい試合ができるかだと思っている」。次をにらんでかっこよく宣言した。