37年ぶりの快挙、橋岡優輝が走り幅跳びで6位


良い流れをつくれず悔しい結果、パリに向け良いスタート

37年ぶりの快挙、橋岡優輝が走り幅跳びで6位

男子走り幅跳び決勝、橋岡優輝の跳躍=2日、国立競技場

 橋岡は右拳を握り、叫んでから走りだした。男子走り幅跳び決勝、最終6回目の試技。足を踏み切り板に乗せ、この日初めて8メートルを超える8メートル10。ベストを尽くし、両手を挙げて一礼した。

 ファウルから始まり、2回目に7メートル95、3回目で2センチ伸ばして7位でトップ8に残った。良い流れをつくれず、最終試技でようやく本来の助走スピードを取り戻しかけたが、時既に遅し。「悔しい。確実にメダルを狙えた。経験不足があったのかな」。6月に8メートル36の自己記録を跳んでいただけに、満足できなかった。

 父の利行さんは棒高跳び、母の直美さん(旧姓城島)は100メートル障害と三段跳びの元日本記録保持者というサラブレッド。いとこの大樹は東京五輪のサッカー男子代表で、ともに大舞台に立った。19年世界選手権では日本勢初の入賞となる8位。世界で戦える強さを安定して示している。

 この種目で日本選手が入賞するのは37年ぶりの快挙。「(当時は)生まれていないこともあってぴんときていないけど、パリ(五輪)に向かって良いスタートが切れる。金メダル獲得を実現させるだけの力を付けたい」。人類史上初の9メートルという壮大な夢を描く22歳。歴史を塗り替える挑戦は続く。