レスリングの文田健一郎、銀メダル以上を確定


自分のレスリングを貫き、幅広い技術で手堅く決勝へ進出

レスリングの文田健一郎、銀メダル以上を確定

レスリング男子グレコローマンスタイル60㌔級準決勝、ウクライナのテミロフ(下)を攻める文田健一郎=1日、千葉・幕張メッセ

 日本勢の先陣を切った文田は初の大舞台にも動じなかった。3試合をきっちり勝って決勝へ。「自分のレスリングを貫きながら、手堅くても勝てる勝負をした」。世界選手権を2度制している男は、頼もしかった。

 得意の反り投げはライバルたちに知れ渡っており、警戒されるのは想定済み。極端に前に出てこなかった2回戦の中国選手とは同点で内容差での勝利だったが、危なげはなかった。準決勝では少ない好機を捉え、ローリングで連続得点。幅の広い技術を見せつけた。

 1952年ヘルシンキ五輪からメダルを獲得し続けている日本男子の伝統を難なくつなげた。「僕が歴史を継承していこうという思いはあった」。男子のエースとして、そこは譲れなかった。

 グレコローマンの魅力を発信するため、常に豪快な投げ技にこだわってきた。決勝で当たるオルタサンチェス(キューバ)も攻撃的な戦いで勝ち上がってきており、投げ技の応酬が期待できるかもしれない。だが、「勝つことが大前提。投げはその手段なので」。雑念を消し、冷静に金メダルをつかみにいく。