北海道で猛暑続く、旭川市・江丹別では38.4度


酪農の被害懸念も、28日には初の熱中症アラートを発表

北海道で猛暑続く、旭川市・江丹別では38.4度

各地で暑い日が続く北海道。札幌市では日傘を差したり、汗をぬぐったりしながら歩く人の姿も見られた=7月30日、同市中央区

 北海道が連日、猛暑に見舞われている。7月31日には、旭川市の「江丹別」観測点で38・4度が記録され、観測史上最高気温を更新した。気象庁によると、道内では今年、35度以上の猛暑日を15日観測。昨年の3日を上回る記録的な暑さに、地元では酪農被害への懸念も広がる。

 札幌管区気象台は、猛暑の要因として南から暖かい空気が入ってきたことなどを挙げる。消防庁によると、道内では19~25日に熱中症で546人が救急搬送され、昨年同期のほぼ10倍となった。28日には初めて熱中症警戒アラートが発表され、今月10日ごろまで気温の高い日が続くと予想される。

 酪農関係者らには不安が広がっている。JA北海道中央会などによると、乳牛は暑さに弱く、25度を超えると乳量が減るほか、熱中症になることがあるという。牛舎内に風を送るなど対策を講じているが、担当者は「涼しくなってもすぐに体調が戻るわけではない」と気をもむ。

 JAは生乳生産について、7月中旬以降は減少するものの、市場に影響はないと見込む。ただ、連日の高温少雨で飼料用トウモロコシや牧草の育ちが悪く、「秋ごろの餌の供給量に影響する可能性がある」という。

 新型コロナウイルス対策のマスクについて、国は高温や多湿といった環境下での着用は熱中症のリスクが高くなる恐れがあると指摘。屋外に限り、距離を2メートル以上取った上で、マスクを外して会話するよう呼び掛けている。