日本柔道、フランスに屈し混合団体は銀メダル
個人戦から心身五輪立て直せず、素根一矢も5人目決着
個人戦では男女計9個の金メダルラッシュに沸いた日本柔道。混合団体初代王座にも大きな期待が懸かったが、手にしたのは銀だった。
フランスとの決勝。金メダリスト対決となった1人目で流れをつくれなかった。女子70キロ級の新井が、個人戦では1階級軽いアグベニェヌに合わせ技一本を奪われる完敗を喫し「ふがいない」。女子78キロ超級金の素根が一矢報いたが、男子100キロ級覇者のウルフが100キロ超級の第一人者、リネールの圧力に屈するなど、5人目までで試合が終わった。
予兆はあった。初戦となった準々決勝のドイツ戦。女子52キロ級金の阿部詩が、個人戦では1階級重い相手に指導三つの反則負けを喫し、男子73キロ級連覇の大野も終盤に技ありを取られて敗れた。決勝までは勝ち進んだが、実力者がそろうフランスを打ち倒せるほどの勢いはなかった。
日本は世界選手権で2017年から4連覇中。しかし、同選手権で認められている団体要員のエントリーが五輪ではない。主眼を置く個人戦を終え、阿部詩は「切り替えるのは難しい部分があった」と率直に話した。大野は「疲労やけがでぼろぼろになって、(個人戦後の)調整はほとんど回復に努めた。チームを優勝に導けなかった責任を感じている」。連日歓喜が続いた躍進の東京五輪を、10個目の金で締めくくることはできなかった。