古川高晴、衰え無縁の集中力で男子個人銅メダル
今大会2個目のメダルで周囲に感謝、2月には第一子が誕生
古川は表彰台で満面の笑みを浮かべていた。五輪で自身3個目のメダル。「自分の国で行われた五輪で獲得できたことは本当にうれしい。それ以上に、皆さんに支えられて取れたメダル」。周囲への感謝を口にした。
3位決定戦は台湾の20歳、湯智鈞との対戦。3-3で迎えた第4セットを取って優位に立った。第5セット、10点ならば勝ちが決まる3射目をきっちり真ん中へ。「何点に入れれば勝ち、とかは考えていなかった。きょうはタイミングよく打てば10点に入っていた」。経験豊富な36歳は、ここ一番で集中力を高めて試合を決めた。
開会式のあった23日に行われたランキングラウンドでは64人中で46位。大阪にいる近大の監督とコーチに連絡を入れた。「悪過ぎて励ましてもらい、フォームを修正した」。立て直せたのは、2人の助言があったからこそだった。
2月には第1子となる男児が誕生した。新しい家族の存在に背中を押され、選考会を勝ち抜いて大舞台へ。ロンドン五輪以来、2大会ぶりの個人戦メダルで締めくくった。「子供が生まれた年はいいことがあると言われていた。実際にその通りになってうれしい。早く帰りたい」。父親としての顔をのぞかせた。
競技を終えて次の目標も見えてきた。39歳で迎える3年後のパリ五輪。「団体と個人でメダルを取ったので、次はミックス(混合団体)で取りたい」。衰えとは無縁のベテランが力強く言った。