息ぴったり、ペア結成10年の渡辺勇大と東野有紗 


「価値が認められれば」、銅でバドミントン混合複に脚光

息ぴったり、ペア結成10年の渡辺勇大と東野有紗

混合ダブルス3位決定戦でプレーする渡辺勇大(左)、東野有紗組=30日、武蔵野の森総合スポーツプラザ(時事)


 
 混合ダブルスの渡辺、東野はともに20代前半ながら、ペア結成10年。中学時代から組む2人の絆を強みに銅メダルを獲得した。

 3位決定戦で勝利を決めた瞬間、東野は飛び跳ね、1年後輩の渡辺はコートにあおむけになって喜んだ。渡辺が「先輩に声を掛けてもらい、踏ん張らせてもらった」と言えば、東野は「勇大君がパートナーで居続けてくれてよかった」と応じた。

 福島・富岡一中在学時の海外遠征で初めて組んだ。渡辺は東野と会話をしたことさえなかったが、「気持ちよくプレーできた。いいなと思った」と相性の良さを直感した。

 中高一貫校での6年間を終え、先に社会人となった東野は、渡辺を日本ユニシスに誘った。「勇大君とじゃないと五輪に出られない。電話は恥ずかしかったのでLINEで」。高校3年時に別の女子選手と組み「1回浮気した」という渡辺も「スピード感とかリズムがすごく合っていた」と実感していたからこそ、東野と同じ道を選んだ。

 日本では混合ダブルスの強化が遅れ、協会がマレーシア人の専任コーチを置いたのも3年前。2人はそうした環境でも力をつけ、全英オープンで日本勢初優勝するなど先頭を走ってきた。「日本ではメジャーではないけど、価値が認められればうれしい」。渡辺はメダルの力で混合複が脚光を浴びることを望んだ。