体操の村上茉愛、女子個人総合で5位入賞
日本女子過去最高順位、予選の不振を乗り越え充実感
「集大成」と位置付けた五輪で、村上はメダルに手が届かなかった。女子個人総合決勝で5位。悔しさはあるはずだが、「きょうで4種目やるのが最後。楽しみながらできた」。充実感を口にした。
リオデジャネイロ五輪の後、技を磨いて3年前の世界選手権では日本女子初の個人総合銀メダルを獲得。男子の活躍が際立つ日本体操界で、世界トップクラスにまで上った。しかし、2019年に腰を痛めて世界選手権代表を逃すと、コロナ禍も重なって東京五輪まで大きな国際大会の出場機会を失った。
予選では、得点の基礎となるDスコア(演技価値点)がトップの海外勢と4種目合計で1点以上開いていた。出来栄えを示すEスコアも思うように伸ばせず、予選後には「自分が代表に入っていない間に、いろいろな人が強くなっている」と悔しさを口にした。
2日前の団体総合決勝では段違い平行棒でバーを握り損ねた時、右肘を痛めた。前日も決勝の出場をためらうような状態だったという。それでも「東京のために体操をやってきて、諦めたくなかった」。決勝の舞台は思い切った演技で、予選よりも得点を2点以上上げた。最終種目の段違い平行棒も今度はしっかり決めて、4種目を終えた。
8月2日には種目別ゆかの決勝を残す。17年に世界選手権を制したこともある得意種目。この日もゆかではただ1人14点台をマーク。「最後は本業。メダルに届く点数が取れている」と気持ちを入れ直し、最後を締めくくる。