ソフトボール連覇、大一番決めた19歳差継投
要所で20歳の後藤が好投、最後は39歳のエース上野
一回に打たれた三塁打の後、上野は無安打に抑えていた。しかし2-0の六回、先頭打者に左前打を許す。宇津木監督の決断は早かった。エースに歩み寄り、交代を告げる。ベンチから軽やかに走り出たのは、今大会何度もピンチを救った後藤だった。
1人目の打者を三振に仕留めたが、続く2番には中前打。3番打者には三塁へ鋭いライナーを浴びたが、山本がはじいた打球を遊撃手の渥美が直接捕球。飛び出した二塁走者を封殺して併殺が完成した。運を味方に付けたような好プレー。ベンチは一気に盛り上がった。
2001年生まれの後藤は今大会、投げるたびにすごみを増していった。「どういう気持ちで臨んだら抑えられるか、どんなことを考えればいいかが分かってきた」。成長を止めない左腕に、宇津木監督は大一番でも要所を託した。さすがの後藤も「今までの試合とは違う空気を感じた。初戦よりも緊張した」と振り返ったが、米国相手に役割を全うした。
最終の七回、再出場(リエントリー)でベテラン上野が再び登板。「後藤が(ピンチで)いっぱいいっぱいで投げてくれたのを見て、気持ちを奮い立たせてもらった」。宇津木監督が祈るように見つめる中、三つのアウトを並べた。歓喜の輪の中心に、無失点リレーを完成させた39歳と20歳がいた。