殺傷事件5年を前に追悼式、慰霊碑に7人の名


相模原市緑区の「津久井やまゆり園」で、黒岩知事ら参列

殺傷事件5年を前に追悼式、慰霊碑に7人の名

障害者施設「津久井やまゆり園」で慰霊碑に献花する園の家族会「みどり会」の大月和真会長(右端)ら=20日午前、相模原市緑区(代表撮影・時事)

 相模原市緑区の障害者施設「津久井やまゆり園」で入所者ら45人が殺傷された事件から5年となるのを前に、神奈川県などは20日、同園で犠牲者の追悼式を行った。式典を前に、園内に新たに建てられたモニュメント(慰霊碑)が公開された。亡くなった19人のうち、裁判で母親が名前を明かした美帆さん=当時(19)=を含む7人の名前が刻まれた。裁判では、美帆さん以外の18人は匿名で審理が行われていた。

 式典は園内の体育館で行われ、遺族や園関係者のほか、黒岩祐治知事ら約40人が参列。犠牲者に参列者全員で黙とうをささげた。昨年は新型コロナウイルスの影響で中止され、開催は2年ぶり。例年は市内のホールで行われており、園内での実施は初めて。

 黒岩知事は「亡くなった方々や、最愛の家族を失われた無念の気持ちを思うと、今もなお強い憤りと深い悲しみを禁じ得ない」と述べた。続いて、園の家族会「みどり会」の大月和真会長は「あの日の凄惨(せいさん)な光景や途方もない混乱、喧噪(けんそう)が脳裏を離れることがない。残酷さに対する憤りは消し去ることはできない」と語った。その後、参列者がモニュメントで献花を行った。

 事件は2016年7月26日に発生。元職員だった植松聖死刑囚(31)が、同園に侵入し入所者19人を殺害し、職員を含む26人に重軽傷を負わせた。県は新園舎を再建し、今月4日に開所式を実施。園は8月1日から新たに入所者を迎え入れる。