在宅五輪をどう楽しむ? リモートで交流を企画
自宅観戦でTVの売れ行きも好調、交流狙い自治体など工夫
開幕が迫った東京五輪は、新型コロナウイルスの影響で多くの会場で無観客開催となり、各地のパブリックビューイングも中止が相次いでいる。自宅での応援が呼び掛けられる中、自治体などはオンラインで観戦者が交流できるよう工夫。観戦に欠かせないテレビを買い替える動きも広がっている。
白血病の治療を乗り越えて出場を果たした競泳の池江璃花子選手の地元、東京都江戸川区は「自宅でライブビューイング」と題したイベントを企画した。
池江選手ら区ゆかりの3選手の試合がある24~26日の決まった時間帯に、リモート会議システムで区民らをつなぐ。1日最大180世帯が参加し、会話しながら観戦ができるほか、ゲストによる解説もある。担当者は「区民一丸となって応援したい」と話し、パラリンピックでの実施も予定している。
テレワークを進めているIT関連会社「アジャイルウェア」は、8月8日の五輪閉幕までの間、自宅観戦の時間を最大8時間まで勤務時間に算入すると発表した。
社員が利用するテレワーク用システムに観戦者用エリアをつくり、その中にいる社員同士で通話などをできるようにした。「仕事中にこそこそ見るより、社員同士の交流を促す機会にしたい」(広報)との考えだ。
テレビの売れ行きは好調だ。ビックカメラによると、55インチなどの大型や、高画質の有機EL(エレクトロルミネッセンス)を採用したモデルの売り上げが6月末から伸びている。複数番組を同時に録画できるブルーレイレコーダーも売れており、五輪に伴う需要増とみられる。
無観客開催により返金されるチケット代を、テレビ買い替えに充てる人も。横浜市の会社員山田晃嗣さん(54)は「お金だけ戻ってきても仕方ないので、家族で楽しめることに使いたいと思った」と語った。