「ラムザイヤー論文」批判に対して見解を問う


歴史研究家らが日本学術会議に、「論文には論文で批判を」

「ラムザイヤー論文」批判に対して見解を問う

記者会見する国際歴史論戦研究所の杉原誠四郎会長(左)と藤岡信勝・上席研究員兼理事=9日、東京都千代田区の日本プレスセンター、川瀬裕也撮影

 「慰安婦は性奴隷ではなかった」とする論文を発表した、米ハーバード大学ロー・スクールのマーク・ラムザイヤー教授に対して、反対する市民団体や学者らが署名を集めて撤回要求をしている問題で、歴史問題などを研究する国際歴史論戦研究所(会長=杉原誠四郎)は9日、都内で記者会見を開き、「学問の自由を侵害している」として、日本学術会議に見解を問う公開質問状を送ると発表した。

 同研究所は6月3日、同様に質問状を送っていたが、同月末までに学術会議側から返答はなく、再度回答を求める形だ。杉原会長は「日本学術会議は(学問の自由への侵害を)黙認をした。日本の国益を無視し、何も行動をとらないのであれば、国費で運営する価値のある組織体ではない」と主張した。

 藤岡信勝・上席研究員兼理事は、「論文撤回を求める署名を調べたところ、学術会議の連携会員3名の名前があった」とし「論文は論文で批判するのが学問のあるべき姿。間違っているから撤回しろという異論排除こそ(学術会議が危惧する)『学問の死』ではないのか」と訴えた。